アイスクリームスプーン

s-russia2010-04-10

近所のお寺で毎月開催されている手づくり市を、先日覗いて参りました。所狭しと並んでいるたくさんのブースにびっくり。趣味でやっているようなお店もありましたが、プロの家具職人の店などもあり、どれを見てもひとつひとつ独自の面白さを持っており、ずーっとぐるぐるぐる境内を見て歩いていました。
中でも多かったのが、木製のカトラリーのお店です。実用的な道具というものは、装飾を削ぎ落とした強さ、美しさをもっているものですね(私は実用的ではない小物もまたどうしようもなく愛しておりますが)。カトラリーは、手で握り、口に触れるわけですから、実用的な道具の中でも一番身体に近いものといえるかもしれませんね。木製で作られた素朴なスプーンやフォークは幼い時に読んだ絵本の中に出て来きたもののように愛らしく、ちょっと手に取ってみると、お店の方が熱心に素材や手入れ方法などを教えてくれます。ぱっと見ただけではよくわからないのですが、同じ人が同じかたちのスプーンを作っても違いが出るのですね、「これはこの部分が沿っていて手になじむけど、こっちの方がこの部分が少し細くて…」と作者ならではの解説をしていただけました。私もなにかひとつ・・・と思ったのですが迷ってしまってきまりません。どうしようかと思っているときはじっこの方で真鍮のカトラリーを売っているお店がありました。そこでみつけたのが、写真のアイスクリームスプーンです。アイスクリームスプーンといえば、四角い頭のものを浮かべますが、これはまるでカップアイスクリームについてくる木のへらのようなかたちをしており、そのたたずまい、また手づくりの真鍮ならではの打ち出しのあとに心惹かれました。真鍮特有の冷たさが、唇や舌に触れるところを想像し、これでアイスクリームを食べたらどんなに美味しいだろう!と即購入。
 でも実は冷たいものが苦手なのでほとんどアイスクリームを食べないんですよ。実用的でありながら全く実用的でない…。
 今回は、新しい作家のものを紹介しましたが、アンティークの銀のスプーンも好きです。何年も経たものを今また使うということにしみじみ感動します。すごく疲れていてゆっくり紅茶を飲みたいなという時には最高です。それでカップの底のお砂糖をすくってなめるのが好きです。ロシア風にジャムをなめたりするのもいいものです。
(e)