今週のお題ついつい行きたくなる場所

活字中毒なので本屋と図書館ですね。最近は知らない本屋さんに入ったときに、お店が誰に何を売りたいのかをチェックするのが趣味になってしまいました。本屋さんの主張のようなものが感じ取れて面白いです。

何度も同じことを書いてますが本屋と図書館は次の時代に消えそうなものでもあります。本屋さんや図書館で働いている方は本の専門家だと思いますが、このような人達が電子化と共に消えていくかもしれないと思うと少し残念です。

未来の本

未来の本とはどのようなものか、という点を少し考えてみたいと思います。本が電子化されるとして電子化された本とWEBの文字情報の間にはどんな差があるのでしょうか。

WEBにおける文字情報はハイパーテキスト(文章の間にリンクが貼れるということ)である点がまず違いとしてあげられそうです。しかし、電子化された書籍にも当然ハイパーテキストの技術は適用されるでしょう。

かつて、本だったものがWEB上の文字情報となってしまった例があります。青空文庫(http://www.aozora.gr.jp/)です。青空文庫に掲載されている小説は本でしょうか。恐らく正しくは「かつて本に掲載されいた小説がWEB上で読めるようになった。」でしょう。

WEB上にあえて本という形態を取るという試みもあります。

Intelのキャンペーン(「あなたを作家にするプロジェクト」)
http://www.intel.co.jp/jp/tomorrow/#/book/bookshelf

ここではWEB上でみれる「本」として本が「本棚」に置かれ、そこから本を取り出して読めるようになっています。実物の本をシュミレートしたものといえますが、一点だけ、通常の本と異なる趣向があります。

それはこれらの本が多くが書きかけの状態であるということです。本は書きかけのまま公開され、随時更新されていきます。つまり、電子化された本は内容が変わりうることを示しています。教科書の類だとよく改訂版が出版されますが、ソフトウェアのバージョンのように随時アップデートされていく形態を取るのかもしれません。

これらのことをみても、電子化された本というのが多様な可能性を持っていることがわかります。恐らく本というのは電子化されたときに、色々な方向に解体されていくのではないかと思います。本の要素としては

  1. 持ち運びしやすいサイズ
  2. ある程度のまとまった長さ
  3. 自己完結的な内容
  4. コレクションとしての価値
  5. 表紙があって最後に目次がある
  6. 本棚に入っている
  7. 図書館で貸し出される
  8. 一定の価格がついている
  9. 紙でできている。
  10. 製本されている。

etc.

これらの要素を幾つか持っているものが電子上の「本」とみなされ、その組み合わせで本の可能性は莫大なものになります。恐らくそれらはもう本とは呼ばず、何か他の新しい言葉によって呼ばれることになるのではないでしょうか。

(s)