金木犀が匂った路地

今年一番の金木犀の匂いをかいた。ああ今年もこの季節が廻って来たと暑かった夏の終わりにホットした感じがした。この頃は日暮れも少し早くなり、セリの散歩も涼しくたすかります。薄暗い公園に赤い彼岸花が5〜6本ずつ、あちこちに咲いていた。なにか鬼火のようで怖かった。急いで少し賑やかな路地のほうに行くと、大きな赤いちょうちんが薄暗い路地にふわりとさがっていた。赤々として、人の背丈ほどもあり、直径が1メートル位あり、地面につきそうになつています。
居酒屋の中の板さんは痩せ型で、なんか狐のように見えました。まだ客はいません。すうーと金木犀の匂いがして心なしかちょうちんがふわ〜ふわ〜と揺れ、上下にもゆっくりとゆれて、一段と大きく柔らかくなつたようなきがしました。なんか昔話の世界の中に入っていきそうな感じがした散歩でした。その後またあそこのちょうちんを見にいこうとしても、どこの路地だったかいまだ行き当たりません。


セリ「へんだな〜ちゃんとセリの匂い残してきた筈なんだけど」