じっと手を見る

私の手を見て、手のひらが厚いね、と言われる。なんか良いことらしい。手相そのものは、観てもらったことはない。細かい線がいっぱいあるので、苦労が耐えないことを表しているのだろう。
数年前までは、「綺麗な手をしているね。」といわれていた。
けっして白魚の様なほっそりした形はしていない。最近では節くれだって、
ぷくっとしていた手の甲は、がさがさと荒れている。
近くの駐車場に成田から野菜などを担いで売りに来るおばあさんがいます。野菜のほかに餅とかまんじゅう、草団子なども持ってくる。結構ファンがいるようです。誰も客が居ないときはこっくり、こっくりしています。少し耳が遠いです。
「これいくら?」と聞くと、「これください」と言われたと袋に入れてくれます。「霜に当たっておいしいよ」など話しながら
お金を支払うと、「若いときいっぱい働いた手だね」といわれました。ゴツゴツした手ということですが、なんか一生懸命生きてきた事の証を肯定されたようで、うれしかった。そしてわが手をはじめて、いとおしいと思いました。家に帰って改めてわが手見た。
本当に太く、節くれだってがさがさとしていた。ハンドクリームいつもより丁寧に塗った。

セリ「わたしの肉球にもハンドクリームを塗ってね」