それでも人生にイエスと言う

ヴィクトール・フランクルという心理学者の本を読んでいます。第2次世界大戦直後の講演をまとめた本です。

戦争によって「心のなかが爆撃を受けた」世代である彼は真正面からこう問いを投げます。人間の生きる意味と価値についての問いです。

戦争を体験した彼にとって、「現代」とは理想主義が打ち砕かれた時代でした。ナチスの収容所強制収容所に送られた彼のみたものは全ての本質でないものが消え去ったあとに残された裸の実存でした。

「生きる意味があるか」について彼の答えはこうです。私達が生きる意味を問うのではなく「人生こそが問いを出し私たちに問いを提起している。」私達は問われている存在であるということです。

人生を意味のあるものにする具体的な活動として、活動すること、愛すること、そして苦悩することを挙げています。

それが可能なら運命を変える、それが不可避なら進んで運命を引き受ける、そのどちらかなのです。

(s)